このコラムでは、主にこれから PHP を学習しようと考えている若手のエンジニアや、エンジニア希望の方向けに PHP についての最新情報や PHP 試験に関する内容を取り上げていきます。
2025 年、Web アプリケーションや Web サイトの開発に大きな変化をもたらしているのが AI 技術の急速な発展です。ChatGPT、GitHub Copilot、Claude などの生成 AI ツールが日々の開発に欠かせない存在となり、エンジニアの働き方そのものを変革しています。
そんな中で「PHP と AI の相性はどうなのか？」「AI 時代に PHP エンジニアはどうあるべきか？」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。今回は、最新の AI 開発環境における PHP について取り上げていきます。
AI ツールと PHP 開発は相性がいい
まずお伝えしたいこととして、PHP が AI 生成コードとの親和性において、実は非常に高いポテンシャルを持っていることです。PHP は、構文のシンプルさや Web アプリケーション開発における豊富な実例データがありますので、ChatGPT や GitHub Copilot の学習データに多く含まれます。そのため、他の言語と比較しても精度の高いコード生成が可能になってきていると思います。
PHP Conference Japan 2025 では「AI エージェントはこう育てる：GitHub Copilot Agent とチームの共進化サイクル」（※1）というセッションが注目を集めました。現場の開発チームでは、GitHub CopilotAgent を PHP 開発に活用することで、従来の開発効率を大幅に向上させる事例が出てきています。
（※1） https://speakerdeck.com/koboriakira/aiezientohakouyu-teru-github-copilot-agenttotimunogong-jin-hua-saikuru
PHP のフレームワークである Laravel 開発においては、2025 年夏にリリースされた「Laravel Boost」（※2）という専用の AI 支援ツールが話題となりました。これは Laravel フレームワークに特化した AI機能で、従来の GitHub Copilot よりもさらに精密なコード生成とデバッグ支援を提供しています。このようなフレームワーク特化型 AI ツールの登場は、PHP 開発の新たなステージです。
（※2）https://boost.laravel.com/installed
2024 年 11 月にリリースされた PHP 8.4（※3）では、プロパティフックや非対称可視性、新しい DOMAPI といった新しい機能が追加されました。これらの新機能は、AI ツールによるコード生成においても大きなメリットをもたらしています。
（※3）https://www.php.net/releases/8.4/ja.php
プロパティフックにより、従来の getter/setter メソッドを簡素化できるようになりましたが、この新しい構文パターンを AI ツールが正確に理解し、適切なコードを生成できるようになったことは特筆すべき点です。例えば、ChatGPT に「PHP 8.4 のプロパティフックを使った商品管理クラスを作成して」などと依頼すると、モダンで保守性の高いコードを瞬時に生成してくれます。
また、非対称可視性機能についても、AI ツールは「読み取り専用プロパティでありながら、クラス内部からは書き込み可能」という複雑な要件を正確に理解し、適切なコードパターンを提案してくれます。これにより、セキュアな設計パターンを AI の支援を受けながら効率的に実装できるようになりました。
変化する PHP 開発フローとエンジニアの役割
AI 時代の PHP 開発では、エンジニアの役割が大きく変化しています。従来の「一からコードを書く」作業から、「AI が生成したコードを理解し、最適化し、統合する」作業へとシフトしています。
この変化において重要なのは、PHP の基礎知識と設計パターンの深い理解です。AI が生成したコードが適切かどうかを判断し、必要に応じて修正を加えるためには、PHP 言語の仕様やベストプラクティスを体系的に理解していることが必要です。
例えば、「AI バイブコーディング」と呼ばれる新しい開発手法が注目されています。これは、AI と対話しながらシステムを構築していく手法で、エンジニアが AI に対して適切な指示を出し、生成されたコードを検証・改善していくプロセスです。この手法を効果的に活用するためには、PHP の言語仕様だけでなく、アーキテクチャ設計やセキュリティ考慮事項についても深い知識が求められます。AI は完璧ではないので必ず人が見て評価しないといけませんから。
PHP 技術者認定試験で PHP の学習を
今後、学習を本格化させるエンジニアの皆さんにとって、PHP は学習するのにとても良い選択肢です。短期間で実用的なスキルを身につけられ、安定した転職市場での需要があり、長期的なキャリア形成にも適しているというバランスの取れた選択となります。更に今では AI も強力な支援をしてくれます。
ただ、単に PHP を学習すると言っても基準や目標が欲しいものです。
「PHP8 技術者認定初級試験」（※4）では、基本的な PHP プログラムの基本知識を問う試験として、入門編のマイルストーンと位置づけることができます。「PHP8 技術者認定上級・準上級試験」（※5）では、実用的なプログラミングテクニックを問う試験となり、PHP の上級者のマイルストーンとなります。
（※4）https://www.phpexam.jp/summary/novice8
（※5） https://www.phpexam.jp/summary/expert8
PHP 技術者認定機構が提供する試験体系は、「経済産業省の IT スキル標準（ITSS）に正式認定」されており、企業からの信頼性も抜群です。PHP8 技術者認定初級試験（ITSS レベル 1）から PHP 技術者認定ウィザードまで、体系的なスキル証明が可能です。
これから PHP を学ぶ方、学び直す方、別の言語のプロフェッショナルで、PHP の習得も始めた方など、PHP を学習するにあたっては「PHP 技術者認定試験」を活用し理解力をチェックすることも学習スケジュールに入っているとより有効です。
ぜひこちらのページもご覧ください。
https://www.phpexam.jp/summary
現在、「PHP 技術者認定試験」は以下の試験を実施しています。ご自身のレベルと PHP のバージョンによって選択ができますので、ご興味あるものがあればアクセスしてみてください。
PHP8 技術者認定初級試験 ITSS レベル 1
PHP7 技術者認定初級試験 ITSS レベル 1
PHP5 技術者認定初級試験 ITSS レベル 1
PHP8 技術者認定上級・準上級試験 ITSS レベル 2/3
PHP5 技術者認定上級・準上級試験 ITSS レベル 2/3
PHP 技術者認定ウィザード
また、PHP 技術者認定試験では、合格体験記を合格者の方に頂いております。これから試験を受験された
いと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
PHP 試験合格体験記
