谷田賢太郎の連載コラム「教育とプログラミング ~過去現在未来~」第02回「プログラミング教育が子供達の未来を明るくすると思う理由」が公開されました。

はじめに

時代の要請に応じて変えるべきことはなにか?
時代の要請に応じて普遍なことはなにか?

これは前回のコラム” 時代の潮流~プログラミング教育の必修化~”の最後で締めた言葉だ。そしていま「第4次産業革命の時代を生き抜き、主導していってほしい。このため初等中等教育からプログラミング教育を必修化する。」 と平成28年4月19日に開催された産業競争力会議で安倍首相が言及した。平成27年に発表した「世界最先端IT国家創造宣言」にもプログラミング教育の充実が記載されており、それをさらに推し進める方針である。
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出展:文部科学省「第4次産業革命に向けた人材育成総合イニシアチブ」

現在世界中でIT化が進みIT領域各分野でのプロフェッショナル人材が求められている。日本再興戦略にも示されている通り、今後IoT(モノのインターネット)・ビッグデータ・AI(人工知能)が産業を牽引していくことが予想されるが、日本国内における理数科学を専攻する学生が少ないこともわかっており子供の頃からコンピュータに触れ、発達段階に則した学びを通してコンピュータサイエンスに興味を持ってもらうことは大変重要なことだと思う。
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出展:文部科学省「諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究」
注:プログラミング教育を普通教科として単独で実施している国は無いが、情報教育やコンピュータサイエンスに関わる教科の中で実施

世界に目を向けてみても分かる通り、図「諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究」のように各国でプログラミング教育が授業で実施され時代がプログラミングを求めているということがわかる。今後このような国が増えることは時間の問題であり、日本も早くこのフェーズに乗るべきである。


プログラミングが子供達の未来を明るくする

わたしは子供達へのプログラミング教育は大賛成である。ただしプログラミングという言葉一つに含まれる意味は多岐に渡るためここでは“プログラミングがなぜ求められているのか” という視点でわたしの考えを3つ紹介しようと思う。

①    時代の変化

20世紀後半高度経済成長の社会において、大量生産大量消費が求められ教室という箱に40人の学生と1人の先生が教えるといった形が社会とうまくマッチし日本は飛躍的な成長を遂げた。経済界も教育も効率が目指されており詰め込み教育が是とされていたのかもしれない。

しかし、冒頭にも述べた通り21世紀に入りITやテクノロジーの飛躍的向上により教育も社会とともに変化が必要とされる時代に突入したと言っても良いだろう。

下図「プログラミングに関する教育がもたらす効果」を見てもらえば分かる通り、プログラミング教育の効果はこれからの時代が求める能力を包括的に体験させてくれるといっても過言ではないだろうか。さて次にその能力とはなにかということについて言及したい。

プログラミングに関する教育がもたらす効果
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出展:総務省「プログラミング人材育成の在り方に関する調査研究」

②    求められる能力の変化

今日、AI(人工知能)が制作した小説が審査に通過した実例や、ジョージア工科大のTA(ティーチングアシスタント)が人工知能だったことに学生の誰も気づかなかった実例が発生し世間を驚かせた。

このような従来型のミドルスキルであるホワイトカラーの仕事が大きく減少していく可能性が高いのである。これは従来の答えがある問題に対して解を求める教育はテクノロジーに凌駕されてしまう可能性があるということではないか。AIが小説まで書いてしまうとはとんでもない未来だ。

そこで子供達の発達段階に則したプログラミング教育という学びを幼少期から体験させる必要があり、ITを活用して多様化する世の中の課題に向き合い創造的に解決を図ることがこれからの時代に求められる能力の一つだと私は思う。

③パパママのサポートが第一

子供達がイキイキと学び続けるためにはお父さんお母さんのサポートが必要不可欠だと思っています。プログラミングはトライ&エラーの連続です。子供は失敗したときは悔しい思いをします。人生の経験も少なく解決策がわからず逃げ出したくなることでしょう。そんなときは人生経験豊富なお父さんお母さんが子供と一緒に親子で課題に向き合い目標を達成するためのヒントを渡し、目標を達成した時には愛情たっぷりに褒めてあげる。

ネット社会が進みコミュニケーションの形態が変化し、お互いが面と向かい合って会話する人間らしさが失われつつあるいま、肌の温もりや笑っている姿、地域コミュニティが温かみに溢れることを願ってやみません。

ただ時代は進み進化し続けます。しかし、親子の愛情は時代の変化があっても不変のことだと思います。ぜひ未来を見据えた教育と不変の親子関係で温かみ溢れる世の中がプログラミング教育から実現されることを願います。

︎まとめ

戦後の教育改革から70年余りが経った今日、多くの先人が教育の議論を行いさまざまな教育思想が生み出されてきました。またネットの進化に伴い多くの情報を得ることができるようになり教育の思想も多様化されつつあります。そしていまはむかし以上に人生における選択は多様化されつつあります。

子供達にはプログラミング教育などのこれからの時代に見合った教育体験が必要であり、大人が想像もできないような物事の選択を子供自らの意思で決断し、結果として自らの人生に対しての理解を早期から考えるようになり主体的に選択する能力が育まれ、自らの未来に対して逃げることなく向き合い明るい希望を持ち人生を歩める子供達が一人でも多く育てることができればと思っています。

社会とともにイキイキと生き続ける力を引き出し身につけるには理数IT教育の体験に秘めている可能性は大きいとわたしは思っています。

その一つがプログラミング教育ではないのでしょうか。

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